水商売で働くマジ天使なみなさまに、感謝を込めて

この記事、最高ですね。共感しかありません。

私は30代中盤、婚活を諦め(参照)、これから生涯独身の可能性も高い中、どうやって生きていこうかと日々考えながら毎日を送っている身であり、妻子持ちの増田とはやや違う立場ですが、「おっさんには、ふわふわ時間*1が必要だ」という増田の主張は、同世代の実感として本当によくわかります。


私事になりますが、最近、縁あって居心地のよい行きつけのバーができ、バーテンさんやお客さんと世間話をして盛り上がるということを、月に2~3回ほどやっています。

一期一会かも知れない、しかし、それゆえに社会的な責任も立場も、お互い何も背負わない気楽な関係のお客さんたちや、商売上のこととはいえ、盛り上げようと気を遣ってくれ、話題豊富なマスターと談話することはとても楽しく、それは、いまの自分の生活の中で欠かせない「癒し」であり、絶対に必要なものだと感じています。


増田がスナックに求めているものと、私がバーで満たしている欲求は、たぶん、同じものではないでしょうか。何の責任も負わず、安心して、異性と気分の赴くままに雑談したいんですよ。そういうことができる相手が、欲しいんですよ*2

おっさんになると、なぜそういう相手が少なくなっていくのかについては、増田がすべて言い尽くしてくれているので、ここで繰り返すことはしません。

みなさんも、おっさんになれば、わかります。


誰もが理想的な夫婦になれるわけではない

はてなブックマークを覗いてみると、「嫁に頼れ!」「夫としての勤めを果たせ!」という批判が、多く目に止まりました。それは、確かに正論です。

お互いに愚痴を聴き合い、癒し合う仲のよい相方がおり、社会や子育てで受けたダメージをそこで癒し、またそれぞれの戦場に戻り闘う理想のパートナーシップ。そうした関係を誰もが築くことができるのであれば、バーもスナックも、この世の中には必要ないのかもしれません。


しかし、すべての家庭がこのような理想的な家庭になれるわけではありません。そして人生において、未来がどうなるかは、誰にもわかりません。

結婚したときには絶対に尽きることのないと思っていた愛情がいつの間にか枯れ、相手のなすこと全てに嫌気が差し、癒すどころか相手がそばに居るだけでストレスを感じる。「うちの家庭は、絶対そんなことにならない!」そう言い切れる家庭が、はたして存在するのでしょうか?

それに、「嫁に頼れ!」のように、既婚者の「癒し」の場をパートナーだけに求める世間の声が強まることは、パートナーに求められる「癒し」の役割が、どんどんと大きくなることを意味します。これは、癒される側だけでなく、癒しを与える側にとっても、しんどい話ではないでしょうか。


このような「正論」により「理想的な家庭を築けなければ、こんな大変なことになってしまうぞ」という脅しのような空気を作り出すことは、既婚者にはプレッシャーを与え、未婚者には結婚への尻込みの要因となってしまうように思います。

未来がどうなるかは、本当に誰にもわかりません。当の自分にも、です。私も、こんな30代を過ごすことになるとは、20代のときは思ってもみませんでした。

そんな世の中で、不安に打ち勝って前に進むためには、「遊び」の部分が絶対に必要になります。

世の中は、何事も滅多に理想的には動きませんし、想像している以上に複雑です。そんな不透明な世界で、疲れ果てた人々の心をピカピカにお掃除し、戦場へ送り返して世の中を回す役割を担ってくれている水商売で働くみなさまは、増田が言うように、マジ天使です。

みなさんも、おっさんになってみれば、わかります。



*1:もちろん、『タイム』と読みます。

*2:同性もいいですが、異性は同性では賄い切れないwktk感を与えてくれることは、確かです。