婚活を諦めてよかった

「婚活を諦めた」半年後…

今年の2月、私は「婚活を諦めた」という記事を書きました。


去年の中頃から約半年間、某ネット婚活サービスに登録し、月2人ほどのペースで女性会員の方とお会いしてきましたが、あまりの不毛さに嫌気が差し、しばらくお休みすることにしました*1。


30歳を何年も超えて価値観が凝り固まった中、それまでの人生で何の接点もなく、若々しい魅力も感性も失った中年ふたりが出会い、そこから男女の関係に発展するということが、いかにあり得ないことなのか。


この記事は、当時の自分の心境をこれ以上ないほど率直に書き記したものでした。この記事から約半年の時が流れ、私の心境的にも環境的にもいろいろ変化があったので、今日はそのことについて書いてみようと思います。

結論から言えば、婚活を諦めたのは大正解でした。

ヨガは続かなかったけど…

「婚活を諦めた」では、「婚活業者に払っていたお金と時間で習い事を始めようと思う」と書きました。その後、実際にヨガを始め、それなりに楽しかったのですが、3ヶ月ほどで通わなくなってしまいました。これは単純に、ヨガよりももっと面白いことが見つかり、その活動に忙しくなったからです。

その活動とは、DJ活動です。以前書いたように、私は最近、行きつけのバーができたのですが、そこのバーにはDJブースがあり、私もそこでDJを、ちょくちょくやらせていただくようになったのですね。

DJ活動は、イベントに出演したり、その準備をしたり、知人友人のイベントに遊びに行ったりととても忙しく、他のことやってる暇ないわ、と*1。DJ活動を通した友人も増え、遊ぶ相手にも困らなくなりましたし。


「婚活を諦めた」を書いたときは、まったく上手くいかない婚活に疲れ果て、精神的にとてもネガティブになっていたのですが、DJ活動が軌道に乗り始めてからは毎日がとても充実し、もう、結婚や人生のことについて、あまり悩まないようになりました。結婚しなくても、こんなに充実した人生を送れるなら、それでいいじゃないか、と。

しかし、そうして充実した生活を送っていると不思議なもので、女性との縁も運ばれてくるものなのですね。DJ活動を通して知り合った女性と、現在お付き合いさせていただいています。DJがモテるとは思いませんが「出会い」が自然と増えるので、その点で恋愛に有利だとは思います。

私生活の面でも恋愛面でも、現在とても充実しており、こんなことなら焦って婚活なんかせず、自分の好きなことに集中して遊んでたほうがよっぽどよかった。もっと早くこうしておけばよかったと、今となっては思っています*2


とはいえ、人生に不安はあります。DJ活動はとてもお金がかかるので、貯金は減る一方だし、パーティで酒飲み過ぎで健康面に不安はあるし…年齢的に子供を育てるリミットが迫っているのに、こんなに金使って遊びまくってていいのか。金も家族もないままこのまま老後になったらどうなるのか、という。

でも、いいんです。人生は、自分が幸せになるためにあるのであって、結婚や子供はその手段のひとつでしかありません。そして、自分は幸せになるために、結婚や子育てはそれほど必要ない性質の人間のようです。もちろん、機会があれば結婚などするかも知れませんが、それはあくまで「流れでそうなったらそうする」というもので、結婚それ自体を目的に活動することを、私はもう、しないでしょう。

婚活サービスは、恋愛結婚を求める人間にはまるで向かない

今にして思えば、婚活サービスは、私にはまるで向かないシステムでした。「年収」など、現実ではよほど親密にならなければ知りえないパラメータを公開し、それを元に相手を振るいにかけるというシステムは、結婚を「生活のため」「世間体のため」と割り切っている人間にとっては、魅力的なシステムなのかも知れません。

しかし私は、結婚は恋愛の延長線上にあると思っている人間です。恋愛感情すら持てない相手と結婚したとしても、そんな思い入れの薄い相手と、人生を共に乗り切っていけるなどとは、とても思えない*3


そんな人間にとってパラメータなど、本来意識したくない、邪魔なモノなのです。「年収」のように、世間的にステータスがあるとされているパラメータを見れば、私のような恋愛派の人間でも、どうしても意識してしまいます。そして、パラメータというフィルターを通して人間を見れば、そこに「不純」な感情が紛れ込んできます。その感情は、人の恋愛感情を、急激に冷めさせる「毒」です。婚活サービスには、人が人を「モノ」として選別する傾向を強化するシステムがあらかじめ組み込まれており、それは、恋愛とは対局にあるものなのです。

そんな場所で、恋愛結婚派の私が結婚相手を探していたのですから、それは、上手くいかなくて当然でした。


私がいま付き合っている相手は、婚活的に条件を見れば、最悪と言ってもいいような相手です。タバコも吸いますし、学歴もなければ、収入もまったくアテにできない。もし婚活サービスで検索をかけたら、私の候補リストには絶対に入ってこないでしょう。よしんば顔を合わせたとしても、ステータスの低さに眼が行ってしまい、付き合おうという感情は絶対に起こらなかったと思います。

しかし彼女は、趣味も価値観も合い、なにより気が合い、一緒に居てとても楽しい相手です。もしできるのなら、このまま結婚したいと思っています。


パラメータによる足切りは、自然に沸き起こる恋愛感情を阻害し、他人を観る眼を曇らせます。もし、あなたが恋愛を通した結婚を望んでいるのであれば、婚活サービスの利用は絶対にオススメしません。それよりも、私のように街に出て遊びまわったほうが、よほど素敵な相手に巡り会えるのではないでしょうか。

私は、そう思います。

*1:「婚活を諦めた」を書いたときからDJはやっていたのですが、婚活を優先して本腰入れていなかった。

*2:もっと早くこうすることができなかった理由はあるのですが、ここで書くようなことではないので伏せておきます。

*3:これは、私の両親が親を通して初めて会ったその日にお見合い結婚をし、まったくソリが合わず喧嘩を繰り返すのを見てきたため、その過ちを繰り返したくはないと思っているという個人的事情があるのですが、今回あまり重要ではないので深堀りしません。