「この程度のことで騙されるなんてお前らバカだろ」という媚びモテの失望

そんな時期が私にもありました

なんでこんなことするのか全然わからんな、理解できない心理だな、釣り乙。…と一読して思ったんですが、そういや私も似たような心理になっていた時期があったなと、思い当たりました。


私、10代のころ、全然モテなかったんですよね。ファッションに気を遣うとか、女受けのいい趣味やスポーツをやるとか、話題の幅を広げるとか、デートに使える店を探すとかの、「モテるための努力」を全然していなかったので当然なんですけど。

で、このままではいかんと思い、20代のはじめごろ、「モテるための努力」をしてみました。私、そういうことやるのに自意識的抵抗が非常に強いタイプだったんで、メチャクチャ葛藤して嫌々ながら。でも、そしたら確かに、以前よりはモテるようになりました。

ただ、そんなんでモテても、嬉しいは嬉しいんですけれども、どこか心の底から喜べないんですよ。

「お前らの好きな『俺』は、『モテのために擬態した俺』であって、『本当の俺』ではないんだろ」って、心の片隅で思ってました。「この程度のことで騙されるなんて、お前らバカだろ」っていう気持ちもありました。私の中身はなんにも変わっていないのに、ちょっと媚びたくらいでモテてしまうという、女性の浅はかさへの失望*1


たぶん、増田の心理もこれと同じなんだと思うんですよね。「この程度で騙されるなんて、お前らバカだろ」って、男性に失望している。失望する程度には恋愛に期待していたロマンティストとも取れるし、ある意味、市場を逆手に取った、恋愛市場主義への復讐とも取れると思います。

恋愛って、若いうちはなにやらもの凄く崇高でいいもののような刷り込みがされるじゃないですか。でも現実の恋愛は、男女が「商品」として相手を値踏みし合う、地獄のような修羅の世界なわけです。

「恋に恋する」季節が終わり現実に晒されたとき、理想と現実のギャップに失望し、こうした方向に走ってしまう「純粋」な人間が一定数産み出されてしまう。それはある種、必然なのかも知れません。

*1:ここで疑問を挟まず「相手を喜ばせることの何が悪いの?」と考えれる人間は、モテる。