「たくさんの女性と『知り合う』『コミュニケーションする』機会のある男性はまったく稀ではありません」という何気ない一言に、医師と理系の女性経験環境格差をまざまざと見せつけられた話

男性率90%以上の職場しか経験した事がないSEのぼく:「」


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シロクマ先生(id:p_shirokuma):「異性を評価するときは、ワインと同じように自分の好みを知ることが重要。値札だけ見ているのは利口じゃないか、自分の欲しいものがわかってない。もっとマイナーだけど、自分にしっくり来るものを探さなければ、どうにもならないでしょう。ワインも異性もそこは同じ」


ぼく(id:Ta-nishi):「とはいえ異性はワインと違って、たくさん試飲して自分の好みを知れるような環境と能力を持っている人間は限られるからな…。本当の自分の好みを把握できるほどの異性経験を積んでから結婚できる人は、少数派なんじゃないか」


シロクマ先生:「たくさんの女性と『付き合う』ことのできる男性は稀ですが、たくさんの女性と『知り合う』『コミュニケーションする』機会のある男性は、まったく稀ではありません」


仕事でも趣味でも、男性率90%以上の男性過多コミュニティしか成人後経験したことが無いぼく:「」


絶望的な、理系男性の女性遭遇率

私は、情報処理技術系の専門学校を出て以来、ずっとソフトウェアエンジニアを生業として生活しているのですが、男性率90%以下の職場というものを、一度も経験したことがありません*1。いまの職場には30人ほどの従業員がいますが、女性はたったの1人です(男性率97%)。

趣味のコミュニティも似たような感じで、私はデジタルゲームボードゲーム人狼/バー・スナック通い/DJ等が趣味で、よくオフ会的なコミュニティや飲み屋に顔を出すのですが、どの界隈も概ね男性比率は9割を超えています。比較的女性率が高い人狼界隈でさえも、女性参加者が2割もいれば「今日は珍しく女性がたくさんいるなー」といった感じ。あとは、バーカンのママさんやバイトの女の子くらいです。


こうした人生は、理系男性、特に電気/工学系の方にとっては「普通」の人生なのではないでしょうか。


そんな私からすれば、「たくさんの女性と『知り合う』『コミュニケーションする』機会のある男性はまったく稀ではありません」と断言するシロクマ先生に対しては、育ってきた環境が違いすぎて「ぽかーん」以外なにも言うことがない。「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言われているのとなんら変わらないんですが*2、理系男性は世間的に見れば少数派でしょうし、「稀」なのは私の方なのかも知れません、というか、恐らくそうなのでしょう。


でもそれって、理系男性本人の責任なの?

このように、理系男性は普段の生活上、女性とコミュニケーションする機会がほとんどありません。なので、私の周りの結婚適齢期の理系男性は、結婚相談所や街コンに通う等のいわゆる「婚活」をはじめたり、楽器など女性も参加している趣味をはじめたりして、外に出会いを求めに行く(行かざるを得ない)方が非常に多い。しかし、普段から女性慣れしていない彼らは、そうした場でも苦戦を強いられることがほとんどです。

世間のみなさま方曰く、彼等は気が利かない、話題がない、外見がダサい、女心を解っていない等、クソミソです。シロクマ先生が言うように、女性と接する機会が少ないために自分の好みを把握できておらず、容姿や年齢のような「値札」しか異性の評価基準がないというような、恋愛初心者にありがちな傾向もあるでしょう。女性にとっては、正直あまり魅力的な物件とは言い難い男性が多いかもしれません。


しかし、しかしです。こういう話を聞く度に、私は思うんですよ。


確かに彼らは、女性から見て異性としてあまり魅力的とは言えない人物なのかも知れない。女性を見る目も未熟で、「非モテ」で「余り物」になりがちな人生を送る人間が多いのかもしれない。

でもそれって、彼等自身の責任なの?

自分がやりたい道や自分の適性を考えて、まぁ、「なんとなく」かも知れないけれど、とにもかくにも自分が職業として選んだ選択肢の先が、ほとんど女性がいない環境だった。それ故に、女性に対する感性が磨かれず、未熟なまま成長してしまった。


「承知の上でその環境を選択した」ことまで含めて考えるなら、それは、彼等自身の責任と言えるのかも知れません。でも、理系を選択することにそこまでの覚悟を求めるのが、果たして正しいことなのかなぁ。そんなことを言い出したら、理系に進む男性なんて、ほとんど居なくなってしまうんじゃんないかなぁ。実際、若者の理系人気の低さの一因には、「女性がいない」っていうのが確実にあると思うし。

かといって、女性を無理やり理系に進学させたり、理系企業に就職させるというのも違うと思うし、まぁこのへん、なるようにしかなりませんよね。


私から世の女性の方々に伏してお伝えしたいことは、「理系男性の女慣れしてなさには、それなりの理由があってのことなんですよ」ということですね。別にそれを忖度してやって欲しいとか、そこまで言うつもりはないけれど、彼等には彼等の、それなりの事情があるんですよ、ということですね。『彼等』とか他人事みたいに言ってますけど、もちろん『私』も含んでますからね。


今日、私が言いたいのは、そんなところです。

*1:唯一、高校までは共学だったので、男女比率は半々だったのですが、スクールカースト最下層の私に、女性へのアクセス権は与えられていませんでした。

*2:シロクマ先生は医師ですから、職場に看護師の女性も多いでしょうし、女性の患者さんもたくさんいるのでしょう。