『ネットの発言にいちいちムキになる方がおかしい』という風潮が当たり前になるくらい、みんなが発言責任を取らなくなってしまった今のネット社会では、議論なんて成立するわけがない

b.hatena.ne.jp

「下手なこと書くと反撃が来るからネットでの発言には注意と責任を払いましょう」なんてネチケットの基本中の基本だと私は思っているんだけど、↑を読むと「ブコメにいちいちムキになる方がおかしい」とか無責任の極みみたいなコメントが並んでいて憂鬱になる。

とはいえ「クソリプ」なんて言葉が流行るほどに、「ネットの他人の発言にいちいちムキになる方がおかしい」という風潮が、はてブに限らずネット全体の空気感として強まっている現代。今後もネットで議論なんてますます成立しなくなっていくんだろうな。↓の記事での東浩紀氏の問題意識にも重なる話。



blogos.com

自分はAが正しいと信じている。にもかかわらず、こっちには全然違うBが正しいと信じている人がいる。これはなんでなんだろう。まずはそう考えるのが大事なんです。説得や論破が大事なのではなくて、違う意見が存在するのはなぜなんだということを考えること。これは、違う考え方を持っている人に対する一種の尊敬の念がないとできないことです。


前述のブコメにはダブスタについて「時間が経って考えが変わることもある」という意見もあってそりゃそうだとは思うんだけど、そこをツッコまれたら可能な限り「なぜ考えが変わったのか」を説明するのが誠実な対応ってヤツだと私は思う。自分の考えを他人に見える形で発信する以上、リアルでもネットでもはてブでも、そうした最低限の発言責任は持つべきだ。

そういうポリシーで、20年以上前から私はネットをやっている。炎上してメンションが膨大すぎる場合など現実的に対応が難しいケースもあるし、時には私自身も感情が先走って無責任な発言をしてしまう事もあるのだろうけれども、少なくとも心構えとしてそうした姿勢を持ってネットと向き合い、実践しようと努めることが、ネットでの暴言を個人が自制するために大切なのだと考えている。


ブクマカの多くは自分の発言が他者…特に元記事の発信者からどう読まれるのかについて、無頓着すぎるとブログもブクマも両方やっている私には見える。好き勝手やるならせめて反撃を受ける覚悟を。撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ。

10年くらい前までのネット社会では、こういう認識は概ねユーザーの間で共有されていたと思うんだけど、いつの間にか無くなってしまったらしい。



ta-nishi.hatenablog.com
無責任を自認さえするブコメ連中をまともに相手しても疲弊するだけなので、私も↑みたいなポリシーで自分を守ることはやっているんだけど、これは自衛のために仕方なくやっている事で、各々が自分の発言に責任を持つのが本来理想的なネットのあり方だと思う。それがはてブだろうと5chだろうと。

でも今のような風潮が続くネット社会では、「ブクマカを人間扱いするべきではない」という私のポリシーは、誠に遺憾ながら当面継続するしかないんだろうな。ブクマカの多くが人間としての発言責任を、自ら放棄しているんだから。