小山田圭吾氏の「赦す赦さない」を決めることができるのは被害当事者だけだが、氏に対する個人的な嫌悪度/好感度は私が決める

今後、小山田氏が責任をはたす為に最低限必要と思われること

news.livedoor.com

小山田氏から謝罪文が出た。この事について私は非常に高く評価している。私が小山田氏に対して本当に醜悪だと思っていたのは、この件が20年以上に渡りネットで批判を受けていたにもかかわらずガン無視を決め込み、シカトしていれば収まるだろうとタカをくくり、他人を舐めた表舞台での活動を続けていたことに対してである。

今回の謝罪で身体的/性的暴行の事実関係を認め、小山田氏はこの事に対する贖罪をはたした。あまりにも遅すぎる贖罪だったが、その間に積み重なったカルマの代償はいままさに小山田氏自身がその身を以って支払っている最中だろう。このことについて、私はこれ以上批判するつもりはない(援護するつもりもないが)。


しかし謝罪したとしてもまだまだ問題は山積みだ。一番大きなものは、パラリンピックという障害者の祭典の作曲者として、小山田氏がこれ以上なく不適切な人選だということである。

このことについては論を待たないだろう。小山田氏は自らパラリンピック楽曲担当の座を即座に辞任するべきだし、そのような不適切な人事を行ったJOCもまたその不手際を猛省し小山田氏に除名を言い渡すべき。

もし辞任/解任しないのであれば、小山田氏ならびにJOCは、五輪憲章の意味もパラリンピックの意義もなにも理解しておらず、あるいはこれ以上ないほどに極めて軽視しており*1、ただただ自分たちの利権のためだけに今回のオリンピックを開催するのだというメッセージを全世界に発信してしまうことになる。それは、日本の国際的評価をこの上なく貶める行為となるだろう。

すでに、海外メディアもこの事を大きな問題として取り上げ始めている*2。小山田氏のパラリンピック辞退/解任は、今回最低限必要な小山田氏およびJOCの責任の取り方だ。ここまでは、ほとんどの方の共通認識なのではないかと私は思っている。



極めて個人的な小山田圭吾氏に対する私の感情

ここまでが、社会的責任をはたすために最低限必要と思われる今後の小山田氏の行動の話である。ここから先は100%完全に個人的な、小山田氏に対する私的感情の話を書く。

まず謝罪文を出したこと自体は評価できるとはいえ、その内容は私にとって到底納得できるものではなかった。あの謝罪文は完全に「仕方なく」「嫌々」世論の圧力に負けて書かされたものだろう。もし本当に被害者に対して悔いているのであれば、これまで幾度となく繰り返されてきたネットにおける炎上事件の際に、本人からなにかしらかの謝罪の言葉が出ていたハズだ。

そうして20年以上責任から逃げ続けてきた因果応報の結果がいまの小山田氏の姿であり正に自業自得。同情の余地はなにひとつない。


つまり今回の謝罪で社会的/倫理的な責任の一端を小山田氏は確かに果たしたが、私の個人的な小山田氏への評価と感情のマイナスを埋めるには、まったく足りない物だったという事である。

あの謝罪により私の小山田氏への個人的嫌悪感は、マイナス5000兆からマイナス4000兆ほどまで劇的に好転した。これは驚くべき成果である。嫌々書かされた、しかも恐らく弁護士先生に書いていただいたペラ紙1枚の謝罪文で、私の嫌悪感は20%も改善されたのだから!

会社の同僚がプラスマイナス0くらいなので、そこに至るためにはまだまだ贖罪が必要なわけであるが、別に小山田氏も私に嫌われ続けて全然構わないであろう。前述した最低限の社会的責任を果たし、あとは可能な限り私の視界に入らない場所でどうぞご自由に、無残で悲惨で地獄のような余生を満喫し、考えうる限りの中でもっとも惨たらしい末路を迎えていただきたい。


なのでここから書くことは「もしも小山田氏が私の嫌悪感をゼロにし、あまつさえ友人として酒を酌み交わしたいのであれば」という前提の上で書く話となる。

まず、今回のオリパラで発生したギャラの全額を、障害者支援団体や直接の被害者の方に寄付するべきだろう。というかここまでは最低限中の最低限、謝罪文の中に書いてあって当たり前の話と思っていた。書いてあったなら私の嫌悪感もマイナス2000兆ほどまでに下げられたのではないだろうか。

その上で、自身の資産の一部をこれまた障害者支援団体や直接の被害者に寄付すること。これは多ければ多いほど私の嫌悪感は好転する。彼の全資産から95%寄付でトントン、プラスマイナス0になるくらいだろうか。もしも99.5%を寄付してくれたなら*3、私は小山田先生の大ファンとなり販売中の音源をすべて買い集め、ライブへ足蹴く通う彼の熱狂的なファンとなるだろう(音楽家としてではなく、芸人としての彼のファンだが)。

べつに非現実的な話ではあるまい。彼が現在いくらの資産を築いているのか知らないが、500万円も手元に残れば充分に生活可能である(余裕で残るだろう)。私もその程度の資産しか持たないが、充分に人生をやっていけている。人生を壊してしまった被害者がおり*4、それを心から悔いているのであれば、非常に辛い思いはするだろうがこれくらいできて当然の話だ。もしもこれを実践できるのであれば、私は小山田氏を稀代の人格者として生涯尊敬の対象として見上げ続けることになるだろう。好感度プラス1000兆。ウルトラ逆転大勝利である。


極めて個人的な私の願望を綴ってみたが、これは冗談ではなくすべて本気である。しかし小山田氏は私のこの要求を絶対に飲まないだろうし、飲む義理もない。私の方にもこれを執行する権利も強制する権力もない。であるから私は今後も彼を嫌悪し続けるだろう。不買を続けていくだろう。「ホント小山田圭吾クソだよなwww」と酒の席で草を生やして嘲笑し仲間と共に盛り上がるだろう。それが彼と私の間で続いていく個人的な関係性だ。それでいいと私は思う。


彼を「赦す赦さない」を決める権利があるのは被害当事者だけだ。具体的な刑罰を執行可能なのは法だけだ。私にできることは、小山田氏の行動に応じて彼に対する好感度をせいぜい上下させることだけである。それくらいのことはせめてもの私の個人的権利として残しておいていただきたい。


…それにしても

今回の小山田氏は、謝罪の仕方が下手すぎた。あの謝罪文に加え「オリパラ辞退」「ギャラの全額障害者支援団体/被害者への寄付」「自身の資産から50%を障害者支援団体/被害者へ寄付」くらいすれば世論は完全に沈黙し、一部ではプラスに転じる程にまで信頼を回復できただろう。それをしなかったから、私あたりに「資産の95%寄付は信頼回復の最低限」などと言われてしまうのである。

それをペラ紙1枚で出費をケチり、自らの痛みを全く伴わず済まそうとするからこのように事態の更なる悪化を招いてしまった。某有名ギャンブルマンガから改変させていただけば、

大槻(E班班長) - 名言・名台詞 | 賭博黙示録カイジ [ アニメと漫画の名言集 ]

「フフ...... へただなあ、小山田くん。へたっぴさ........! 謝罪の仕方がへた....」

「小山田くんが本当に欲しいのは...今後の自分の保身......それを仲間内でチンして....ホッカホッカにしてさ......印税で不労所得を得たい......!だろ....?」

「フフ.... だけど......それはあまりにプライドが許さないから....こっちの........しょぼい謝罪文でごまかそうって言うんだ..... 小山田くん、ダメなんだよ......!そういうのが実にダメ....!せっかく印税でスカッとしようって時に....その妥協は傷ましすぎる........!」

「そんなんで謝罪しても世論は収まらないぞ......!嘘じゃない。かえって批判が噴出する....!被害者の顔がチラついてさ..........全然スッキリしない....!心の毒は残ったままだ」

「謝罪の仕方としちゃ最低さ....!小山田くん.....謝罪ってやつはさ........小出しはダメなんだ........!やる時はきっちりやった方がいい....!それでこそ次の不労所得の足しになるってもんさ....!違うかい......?」

まったく、ハンチョウも呆れかえるレベルのへたっぴさである。


注)この記事は、↓の記事の続きです。
ta-nishi.hatenablog.com

*1:知ってたけど最低限の建前というものはあるだろう。

*2:Tokyo 2020 composer apologises for historical bullying of disabled classmates | Tokyo Olympic Games 2020 | The Guardian

*3:五輪(五厘)だけに

*4:しかも複数。