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自意識高い系男子。アラフォー。
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ストーカー被害者にも加害者にもなった経験のある私が、『片想いはストーカーのはじまり』という文章を読んで感じたこと

恋愛

ストーカーは、『相手への一方的な想いの押し付け』から産まれてくる

anond.hatelabo.jp
警察沙汰とまではいかないまでも、かつて、待ち伏せや押しかけなどのストーカー行為をしたこともされたこともある身として、↑の増田に強く同意*1。私の経験上、人がストーカー化するのはいつだって、「自分の想いが相手に受け入れてもらえないとき」でした。



ストーカーっていうのは、要は相手への一方的な想いの押し付けなんですね。どんなに自分の想いが強くても、相手にそれを受け止めてもらえている間は問題ない。ただ、それが一方的なものになってしまったとき、想いを受け入れてくれない相手への憎しみが産まれ、人はストーカー化するのです*2

だからストーカーは、「突然一方的な別れを告げられた元恋人」が一番なりやすい。それまで育んできた想いをぶつける先を、ある日突然、絶たれてしまうわけだから。


片想いも、「相手への一方的な想い」という意味では、これと同じです。だから、「片思いはストーカーのはじまり」という増田の指摘は、圧倒的に正しい。恋愛は、その想いを相手が受け入れてくれたとき、はじめて成立します。受け入れてもらえない恋愛感情など、狂気の入り口でしかない。それを募らせるなどもっての外。

http://anond.hatelabo.jp/20160527200729
「皆さんはもう大学生です。中高生のときのように片思いを募らせるような子どもっぽい恋愛はやめましょうね。好きになったら即アプローチ。もちろんしつこいのはNG。相手がNoならすぐに引きましょう。別れ際も仲良く後腐れなく。楽しく軽やかに恋してくださいね」

まさしく、これです。こうした恋愛作法は、世間知としてもっと世の中に広まって欲しいものだと思います。


「純愛」と「ゲームとしての恋愛」のバランスの問題

…とはいえこの話が難しいのは、恋愛が「想いが強ければ強いほどに、純粋であれば純粋であるほどに、甘美で充実したものになる」という性質をもっていることです。片想いをこじらせないよう、自分も相手も傷つかないよう、理性により相手への想いを抑えれば抑えるほど、不純物が紛れ込み、恋愛の「本質」から遠ざかってしまいます。

「好きになったら即アプローチ。もちろんしつこいのはNG。相手がNoならすぐに引きましょう。別れ際も仲良く後腐れなく。」

確かにこれはとても「正しい」恋愛作法なのですが、こうした打算的感情が入ることにより、恋愛としての「純粋さ」からは遠ざかっているといわざるを得ないでしょう。


要はこれは、感情的な「純愛」と、理性的な「ゲームとしての恋愛」のバランスをどう取るかという問題です。純愛にバランスを振ればストーカー的な狂気に囚われる可能性が高くなる代償として、恋愛成立時には熱狂的な深い恋愛を体験することができます。逆にゲームとして割り切れば、自分も相手も心は傷つかずに済む代わりに味気ない恋愛しかできなくなり、相手を愛することから遠ざかってしまう。


「ゲームとしての恋愛」に特化したナンパ師は、特定の相手に入れ込むことを「非モテコミット*3」と呼び避けますが、これは失敗時の自分のダメージを軽減するための防衛戦略という意味合いもあるのです。本気になっていない相手であれば、たとえフラれたとしてもたいしたダメージにはなりませんからね。

ただ、そうした恋愛ばかりを繰り返していると、異性と付き合ってもなんの喜びも愛情も感じられない、味気ない恋愛しかできなくなってしまいます。経験を積んだナンパ師は、最終的に純愛に回帰する傾向がありますが、これは結局、打算的な恋愛では恋愛の本当の幸せには辿り着けないと悟るからなのでしょう*4


結局のところ、純愛とは狂気と紙一重の感情であり、社会性と真っ向から対立する概念なのだと思います。それゆえ、いい大人が純愛に生きることは難しい。

普通の社会人が生活を維持しながら純愛をまっとうするのは精神的ダメージが大きすぎるので、「ゲームとしての恋愛」の冷めた視点を交え自分の精神を守りつつ、純愛の「出がらし」をチビチビ啜るというのが現実的な回答なのでしょう。

それが「大人になる」とか「社会的成熟」とかいうものなのだとは思うのですが、だとしたら「社会的成熟」というものは、思春期の若者たちがしばしば指摘するように、やっぱり「汚い」ものだなとも私は思うのです。

ぼくは愛を証明しようと思う。

ぼくは愛を証明しようと思う。

*1:片思いが「精神が未熟な人物に特徴的な行動」というのはそこまで言わんでも、とは思うけど。

*2:産まれる憎しみの強さは、相手への想いの強さに比例します。

*3:恋愛工学用語。

*4:「僕は愛を証明しようと思う」の主人公も、一通りのナンパ経験を経た後、最後は純愛に戻って行きました。