『好きになってしまう相手は自分の意思では選べない』という不幸

やっぱり、自業自得じゃね?

toianna.hatenablog.com

元ネタとなった漫画は読んでいないが、この記事を読む限りなんというか、やっぱり「自業自得」って言葉が相応しいんでねーの?というのが、正直な感想である。

そもそもこの世の中の大半の男性は、浮気などしない、あるいはできない。ほんの一部の、黙っていても、彼女がいても、既婚でも、女性がわんさか群がってくるモテ男の、さらにそのうちの倫理観が欠如した極ひと握りの男性だけが、浮気をする(できる)のである。


そうした浮気男はやはり、女性が群がってくるだけの権力を持っている。イケメンだったり、金持ちだったり、仕事ができたりする。そうしたハイスペック()な男性を恋愛相手に選ぶのであれば、浮気をされる確率が高いのは当然である。そしてタラレバ娘は、そうしたハイリスクなモテ男をわざわざ選んで恋に落ち、予想どおりに浮気され、傷つき、一敗地に塗れるわけだが、すべては太陽が東から昇って西に沈むかのごとき予定調和であり、想定の範囲内である。自業自得としか言いようがない。


なぜ、世間的にはモテるわけではないが誠実で、自分のことだけを見て大切にしてくれる男性を選ばず、社会的ステータスに踊らされ、ハイリスクなモテ男ばかりを選ぶのか?戯言も大概にしていただきたい。それが、多くの読者の率直な感想だろう。


『恋愛感情は制御できない』という不幸

…と、ここまでが、自分のことを完全に棚に上げた、はてなブックマークコメントのような責任感ゼロの戯れ言である。

ここまで書いておいてなんだが、実際のところ、私にも上から目線でタラレバ娘を説教する資格などないのである。恋愛とは、心の働きだ。心の働きとは自分の力で制御できるものではなく、好きになってしまう相手はどんなに条件が悪い相手でもどうしようもなく好きになってしまうし*1、好きになれない相手はどんな大富豪や美人や人格者でもどうしても好きになることはできない。それが、恋愛がもつ残酷な性質なのである。


そして、「どんな相手なら恋愛感情をもつことができるのか?」というツボは、人によってまったく違う。


私の場合、経済力、社会的ステータス、頭のよさ、家事能力など、結婚生活や世間的に有利な性質や能力については良い方向にも悪い方向にも一切問わないが、ある特定の「雰囲気」「フィーリング」「容姿*2」に恋愛感情のツボが設定されており、そこを外れた女性に対しては、どんなに努力しても、たとえ女性側から好意を寄せられた場合でさえも、恋愛感情を抱くことができない。そして、そのツボに合致する私の「ストライクゾーン」は、とてつもなく狭い。私がアラフォー独身でいる大きな理由のひとつが、コレである。


タラレバ娘の場合、そのツボがたまたま男性の「経済力」「容姿」「社会的ステータス」といったレッドオーシャンに設定されており、モテ男にしか恋愛感情を抱くことができないという話だろう。その点では、タラレバ娘の境遇に同情する。たとえ世間的には人気がなくても、私にはあなたのよさがわかる、あなたと一緒ならそれだけで幸せだ。そうした男性にタラレバ娘が恋愛感情を感じることができる人間だったのであれば、彼女たちも不幸にならずに済んだことだろう。


しかし、そうした「堅実な」男性は好きになれないというのであれば、これはもう、仕方がない。無理をして恋愛感情ではなく堅実さを重視し、好きでもない相手と結婚しても、幸せになどなれるハズもない。すぐに相手への不満が溜まり、不満足な結婚生活に耐え切れず、離婚や仮面夫婦へと至るのがオチである。であれば、自らの強欲さを受け入れ、恋愛・結婚を通じた幸せは自分には不向きなものであると、諦めるしかない。


その意味で、私の最終結論は、id:toiannaさんの「恋愛・結婚というゲームのリングから降りろ!」と、奇しくもまったく同じである。事実、私はそうして生きている。

恋愛・結婚をする気になれる女性とたまたま巡りあい、相手も同じ気持になってくれるという奇跡が起きたのであれば、恋愛や結婚をするかも知れないが、そうでなかったとしても、私は友人や仲間と共に楽しく生きていく。それが、アラフォー独身男性の1人としてこの問題に幾年も向き合い続けた私の、ひとつの結論なのである。

東京タラレバ娘(1) (KC KISS)

東京タラレバ娘(1) (KC KISS)

*1:ヒモのバンドマンに献身的に貢ぐ、だめんず好き女性たちの勇姿を見よ。

*2:「美人」がいいというわけでもなく、「好み」の顔立ちがある。