快感により種の保存へのインセンティブを与えるのが『本能』だというのであれば、女性の出産分娩に痛みと恐怖が伴うのはなぜなのだろう?問題

本能は意識レベルで「子供が欲しい」と人間に思わせるシステムではない

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子共を残すことは本能なのだろうか?まぁ、本能なのだろう。


食欲や性欲といった「本能」は脳科学では「報酬系」として説明される。食事やセックスを行ったとき、人間の脳内ではドーパミン等の快楽物質が分泌され快感を感じるようにできている。これが私たちに食事やセックスへのモチベーションとして働き、生命の維持や種の保存につながる。逆にケガや病気等で身心に異常が発生すれば、器官は脳に痛みや不快感として信号を送り異常を修復させようとする。

ここで注意が必要なのは、私たちが報酬系に促され行動を起こすとき、意識レベルでは生命の維持や種の保存を目的として行動しているわけではないという点である。私たちが食事をするのは意識のうえでは「生命を維持するため」ではなく「腹が減ったから」「飯が美味いから」だし、セックスするのは「子供が欲しいから」ではなく「ムラムラするから」「気持ちいいから」だ。しかし食事やセックスは「結果的に」生命の維持や種の保存の役に立つ。

つまり本能とは「報酬系を用いて無意識のうちに種の保存行動を誘発させるシステム」なのである。意識レベルで直接的に「子供が欲しい」と感じさせるシステムではない。「子供を残すことは本能ではない」という誤解はそれゆえ発生するのだろう。しかし性への欲望が人間の報酬系に組み込まれているのはまぎれもなく種を残すためであり、それゆえ「子供を残す事=本能」ということが可能なのである。


出産分娩はなぜ痛みや恐怖を伴うのか問題(妄想)

生物は報酬系を通じて生命維持や種の保存に結び付く行動に快感を与え、それら行動を誘発するシステム(=本能)をもつ。だがそう考えたとき不思議に感じる事がある。

なぜ女性の出産分娩という行動には、快感ではなく痛みや恐怖といった苦痛が与えられているのだろう?*1

いうまでもなく出産分娩が行われなくては子供は世に産まれてこず種の保存は果たされない。種の保存へのプラス行動に快感というインセンティブが与えられるのが生物の基本設計だというのであれば、出産行為にも「出゙産゙ぎもぢい゙イ゙ィ゙ィ゙ィ゙!赤゙ぢゃんしゅぎょい゙の゙おほぉォ゙ォ゙ォ゙!!」という快感が与えられていて然るべきではないだろうか。


これについては「セックスまで導ければ種の保存には充分だったから」という仮説が立てられる。人類の歴史は文明が誕生発達したここ数千年より原始時代の方がはるかに長いので*2、遺伝子は原始時代に適応した姿をしている。原始時代には避妊具など存在していなかったから、セックスすれば高確率で妊娠することになる。出産がどんなに苦しかろうが最悪母体が死亡しようが、セックスさえすればとりあえず子供は残される。実際動物の中にはサケのように、出産後親が死亡する種も珍しくはない。

弱肉強食の原始時代には、出産の多くは男性の女性に対するレイプだっただろう。身体的優位に立つ男性のレイプに女性は抗うことができないが逆はない。となると女性がセックスに積極的である必要すらなかったのかも知れない。女性がセックスで泣こうが喚こうが*3、出産分娩で命を落とそうが、人類繁栄に必要なのは唯ひとつ、男性のセックスに対する欲望だった。

そう考えると女性にもセックスの快感が搭載されており、子供を慈しむ気持ちが備わっている(らしい)事の方がむしろ不思議だ。一部女性がセックスを蛇蝎の如く嫌うのは、こうした遺伝上の理由からなのかも知れない。男女関わらずレイプ物のアダルトコンテンツが一定の需要を誇るのも、こうした太古の記憶が関係しているのだろう。私たち現代人は誰もがレイプした男性とレイプされた女性の子孫なのだ。


このように考えていくと、避妊具の普及というのが人類史において極めてエポックメイキングな一大事件だったということがよく理解できる。避妊具の普及により人類はセックスと出産のほぼ完全な切り離しに成功した。避妊具により人類は、セックス→出産という一連の流れからセックスの快感だけを「いいとこ取り」することが可能となったのである。

このことにより「セックスさえできればまぁいいんじゃね?」という人類の繁殖戦略は完全に破綻した。人類は出産のためではなく専ら快楽のためにセックスを行うようになってしまった。

「避妊具の普及」は現代の少子化に極めて重篤な影響を与えている一要素だと思うが、なぜか言及されることはほとんどない*4。異次元の少子化対策というのであれば、避妊具使用および堕胎を禁止すれば、空前絶後の巨大な成果を得ることが可能となるだろう。なるほど完璧な作戦っスね。(人権的に)不可能だという点に目をつぶればよぉーーー。



……長々と妄想を書き連ねてしまった。いまさらのようにググってみると、脳(頭蓋骨)が異常に発達したことと二足歩行が関係しているらしいですよ。いいオチだなー(棒)

www.funin-kanpo.com

*1:正確には『なぜ出産分娩に苦痛を感じる一見繁殖に不利な性質を持つ個体とその子孫が淘汰されず生き残っているのだろう?』

*2:クロマニョン人誕生が約20万年前といわれている(参照)。

*3:むしろ泣きわめく女性を屈服させる強さを持つ男性こそが、生存に有利だったかも知れない。暴力性モテ!

*4:本邦における避妊具の普及はせいぜいここ100年程度の話である(参照)。