女性が男性を専業主夫として養いたがらないのは上方婚志向などではなく、単に男性の性的魅力があまりにも低すぎるからなのでは?

女性の『上方婚志向』への疑念

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男は若くて可愛い女の子が好きで、その人を養うことに基本的には抵抗がない。

その一方で、女性が男性を好きになるのは、年収だったり知的能力だったりという、現代における狩猟能力といえる部分に魅力を感じる傾向が多い。

現代社会の男女が↑のような回路で結婚相手を選んでいる傾向があるという点に異論はないのですが。でもコレって、本当に生得的な性差なのかな?という事を、私は常々疑問に思っています。


女性に比べ、まったく訓練されていない男性の『性的魅力』

男性が「若くて可愛い女の子が好き」なのは、彼女たちが強力な性的魅力を持っているからですよね。それがあるからこそ、「年収だったり知的能力だったり」といったものを女性が持っていなくても、男性は、彼女たちを養おうというモチベーションを得られるわけです。

しかしその性的魅力は、必ずしも産まれながらにして女性が持っているものではない。「女性は美しい事に価値がある」という社会的価値観の元、美容にファッションに精を出し、男性に可愛がられるよう媚を売り、幼少期からの必死の努力の積み重ねの上で獲得されているのが、現代女性の眩いばかりに輝くキラッキラの「性的魅力」なわけです。


他方、男性はどうか?男性は、女性ほどには性的魅力を社会から求められていない。そんなことよりも、経済的に成功することを強く求められている。それゆえ男性は、性的魅力を磨く努力を女性よりもはるかに行っていない。


つまり現代の男性は、性的魅力で女性に比べてはるかに劣っており、それを高めるための訓練も受けていないのです。そんな、経済力以外になんの魅力も持たない男性を、すでに充分な経済力を持っている女性が、積極的に養いたくなるでしょうか?それは、無理というものです。

「すっぴんノーメイクのだらしない体型で、ファッションまでダサいブサイク人間」。女性から見た現代社会のほとんどの男性の性的魅力は、この程度のレベルでしょう。こんな異性を自分のカネを使って養おうという気になれるのか。男性は、自分の立場を女性に置き換えて考えてみれば簡単に分かるハズです。猫でも飼っていたほうが余程マシでしょう。


もしも男性が現代の女性並みに容姿に気を遣い、女性に媚を売り、女性にとって性的に魅力的な存在になったとしたら。専業主夫として男性を養いたいと思う女性の数は、今よりもはるかに増えるのではないでしょうか。事実、性的魅力の高いイケメンバンドマンをヒモとして養いたいという願望を持っている女性は、現代社会でもそれなりに多いでしょう。

女性が男性に経済力を求め、男性が女性に性的魅力を求めるのは、数万年に及ぶ人類の淘汰の歴史の結果であり、遺伝子に刻み込まれたものだという進化人類学の見識もあるようですが、経済的に男女平等で生活不安の無かった学生時代、女性たちが何を基準に男性をランク付けしていたかを思い返すに、それって本当なのかな?と、私は非常に懐疑的です*1。経済力の不平等や世間体等の社会的制約が外されれば、異性に性的魅力を求める傾向に、本来、男女差はそれほど無いのではないでしょうか。


女性が経済力を得れば、男性に性的魅力を求めるようになるのは当然の流れ

かつて小倉千加子先生が『結婚の条件』で述べたように、近代社会における結婚とは、男性のカネと女性のカオの交換でした。男性は経済力を、女性は性的魅力を身に付けるよう社会的に要請され、努力し、結果獲得した資源を売買して婚姻相手を得る。それが、これまでの結婚制度でした。

しかし女性が経済力を身に着けつつある現在、この前提は崩れつつあります。もはや女性は、少なくとも女性の一部は、男性の経済力を必要としていない。となれば、カネとカオの交換である結婚において、女性が男性に経済力以外の「別の魅力」を求めたくなるのは当然の流れではないでしょうか。「別の魅力」とはそう、「カオ」。性的魅力です。

もはや性的魅力は女性だけに求められるものではなく、経済力もまた男性だけに求められるものではなく。男女の区別なく、異性に対して「資源」として求められるものとなりつつあるのです。女性がカネで、男性のカオを買ってもいい。そんな時代になりつつあるのです。


この流れが続けば、男女関係なく「経済力のある人間」が、「性的魅力のある異性」を養うという形の結婚が一般的になるでしょう。その社会では、男性の生存戦略も、現在の女性に近いものに変化すると思われます。すなわち、「プロ専業主夫志望男性」の登場です。

専業主夫として経済力のある女性から養われるために、幼い頃から容姿を磨き、女性が喜ぶ習い事(音楽、詩、絵画、スポーツ等)を修め、家事スキルを身につけ、「逆玉」を狙おうとする「専業主夫志望男性」。これは、現代社会の「専業主婦志望女性」の、完全な映し鏡です。この社会では、結婚において「経済力」を武器にするのか、それとも「性的魅力」を武器にするのかは、男女の区別なく、完全に自由な個人の意思に委ねられることになるでしょう。

そしてそんな社会こそが、本当の意味で男女平等で理想的な社会なのではないかと、私は思います。


結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

*1:容姿をはじめとした性的魅力「も」非常に大きな評価基準となっていましたよね。